腎臓を長持ちさせるためのポイントとコツ3つ

スポンサーリンク
腎臓の機能が低下してくると日々の生活を見直し、体に負担をかけている生活習慣を改善しなくてはなりません。
生活の中で、仕事を深夜まで行ったり、食事やお酒で羽目を外したり、運動のし過ぎで疲れが残ったりしてもからだのバランスが大きく崩れないのは、腎臓や肝臓がうまく調節してくれているからです。
腎臓の働きが低下した場合、そのまますべてを腎臓に頼っていては、腎臓の寿命はより短くなってしまいますし、結果的に自分の時間を腎臓のケアに費やすことになってしまいます。
弱った腎臓をいたわりながら生活することで、腎臓の機能低下を防ぎ、腎臓を延命することができます。
また透析になると1回あたり約3時間かかるため、なるべく自分の腎臓をケアしながら自分の腎臓をもたせることが大切になってきます。
これは「腎保護療法」という腎臓を長持ちさせるためのとても大事な考え方、付き合い方です。
では腎臓を長持ちさせる為にはどういった方法あるのかポイントを3つ上げてみます。
目次
①食事

食事療法の基本は腎臓の働きや病気の症状に応じて医師から以下の摂取量についての指示がだされ、それぞれの症状の状態にあった食事を行います。
- 1.たんぱく質制限の注意点と目安
- 2.食塩摂取の注意点と美味しい減塩食事のコツ
- 3.エネルギーを補う必要と方法
- 4.カリウム摂取の注意
- 5.水分の摂取量を注意
1.たんぱく質制限の注意点と目安
たんぱく質はクレアチニンや尿素窒素といった腎臓からしか排泄できない成分が含まれています。
摂取量が多くなると腎臓への負担が大きくります。
たんぱく質制限のある方の1日の摂取量は日本腎臓学会のガイドラインでは、標準体重1kgあたり0.6~0.8g/日が推奨されています。
体重60kgの患者さんの場合、36~48gが1日の摂取たんぱく質の目安となります。
一般的には1日あたり80g程度のたんぱく質を摂取しているため、約半分の摂取量になります。
たんぱく質は魚や肉だけではなく、ご飯、パン、果物、野菜などにも含まれているため、取りすぎに注意しながら1日の指示されたたんぱく質量をいろいろな食品からとりましょう。
2.食塩摂取の注意点と美味しい減塩食事のコツ
腎臓はナトリウムを排泄するのに大きな力を使います。
機能が低下している人は1日の摂取する食塩はなるべく8g以下へ抑える必要があります。
ただし1日の塩分摂取量が3g以下になると必要な栄養素が不足するため、3~8gを1日の摂取目安にすると良いと言われています。
注意するべき食品としては、加工食品(ソーセージ、ハム等)や練り物(はんぺんやかまぼこ等)、漬け物、佃煮、干物は塩分量が特に多く含まれているのでできるだけ控えましょう。
みそ汁等の汁物は半量にするか飲まないようにする、またはダシを多く効かせ味噌や塩などの調味料を半分以下にしてみてください。
ダシをしっかりと効かせると味の満足度が高く、結果的に1日の塩分が抑えることができます。
最近は、塩、醤油、ソースなど主要な調味料は減塩の商品が出てますので活用すると快適に減塩生活を楽しめるでしょう。
他にもハチミツやメープルシロップ、唐辛子、レモンや酢等の甘味、辛味、酸味調味料の利用により減塩でもおいしい味付けが可能です。
日々少しだけでも塩分のことを気にしながら腎臓をいたわるだけでも、大きく摂取塩分量が変わりますので美味しい減塩生活を楽しんでください^_^
3.エネルギーを補う必要と方法
たんぱく質の量を抑えると、エネルギーも不足してしまいがちです。
エネルギーが不足すると体内の筋肉などからたんぱく質が分解されエネルギー源として使われてしまいます。
体内の尿素窒素が増えるため、たんぱく質を多く摂取したことと同じ状態になるため、代替えの食品でエネルギーを補充していかなくてはいけません。
特に、砂糖、でんぷん、油(サラダ油、マヨネーズ、ドレッシング)類を活用することでエネルギー摂取量がアップしますので、料理に加えたり、仕上げにかけて補いましょう。
ただし、マヨネーズには15g(大さじ1)あたり0.3gの塩分量、ドレッシングには15g(大さじ1)あたり0.3~1.1gの塩分が含まれています。
塩分量を確認しながら、味付けの補足とエネルギー補充にお役立てください。
意外なところでは、和菓子や洋菓子はエネルギーの補充食品として利用できそうですが、たんぱく質が含まれていますので食べ過ぎには注意が必要しましょう。
4.カリウム摂取の注意
カリウムは筋肉の収縮を調整したり、ナトリウムの排泄を促進することで血圧の上昇を抑制したりしています。
腎機能が低下してくると高カリウム血症のリスクが増え、医師からのカリウム制限の指示がでます。
高カリウム血症とは、カリウムの排泄障害やたんぱく質の代謝によって生じた酸の排泄能力の低下が原因で、体内にあるカリウムが血液中に出てきてカリウムの値が高い状態です。
高カリウム血症になると筋収縮の調節ができなくなり、筋の脱力感や重症化すると心停止を起こすこともあります。
カリウムはあらゆる食品に含まれていますが、基本的に低たんぱく食を行うとカリウム摂取量も同時に減ってきます。
水に溶ける性質がありますので、野菜などを調理する場合は水にさらしたり、煮たりすることで摂取量を減らすことが可能です。
野菜・芋類は小さめに切ってから茹でこぼすか、水にさらしてから調理すると効果的です。
水にさらした場合も、茹でた場合も除去できるカリウム量は、その種類や調理するときの切った形、水の量、処理時間によって異なります。
小さめに切ったり、茹でた後によく水を切ったり、搾るようにするとより多くのカリウムを除去できます。
果物は通常の半量にするか果物の缶詰にしましょう。特にバナナ、メロン、キウイフルーツはカリウムが多いため食べ過ぎには注意しましょう。
ちなみに缶詰のシロップはフルーツから溶け出したカリウムが含まれてますので飲まないようにしましょう。
5.水分の摂取量に注意
腎臓の機能低下の段階によって水分摂取量の目安量は変わりますが、毎日飲む水分の量以外にも料理の水分も計算に入れる必要があります。
汁物などの水分を含む料理は水気を切って食べるようにすると、目安量から大きく超えずに透析などの影響も少なくて済みます。
ただし極端な水分制限は腎臓を流れる血液量が少なくなり、働きが落ちてしまうため指示された水分量はしっかり摂取して脱水などで腎臓に負担をかけないようにましょう。
②運動

以前は腎臓の機能が低下した人は運動せず安静にしないといけと考えられていました。
しかし、現在では安静の必要がないことや運動をすることでの有効な効果が証明され、腎臓疾患の状態やステージによっては積極的に運動が取り入れられるようになっています。
なぜ適度な運動が必要なのかというと、筋肉を動かさないように安静にしてばかりでは、筋肉がやせて体力が低下してしまいます。
筋肉が落ちるとリンパの働きや血液を送る働きなども落ちてしまい、健康的な生活を送ることが困難になってしまうわけです。
自分の腎臓を長く使えるように保護する時期でも体力は必要ですし、透析を行う時期になると運動が奨励される場合もあります。
日々の軽い運動は体力の向上と共に、体の怠さや疲れが取れやすくなり、日々の活動に意欲的になります。
また、脳卒中、心筋梗塞、心不全などを予防できるために、腎臓を気にすることで別の病気を発症させるリスクが減ります。
そして、腎臓の機能回復も期待できるといった研究結果までも出ています。
基本的な運動療法としては、有酸素運動をメインでおこない、補足的に筋肉トレーニングを取り入れていきます。
そうすることで、体力と代謝の向上につながりからだの機能改善に役に立つようになります。
詳しい行い方や目安は
『腎臓病は運動をしても良いのか?』http://www.masa3blog.tokyo/2019/05/01/腎臓病は運動をしても良いのか?/
でご覧ください。
③生活習慣

日々の生活で行なっている習慣でからだに負担をかけていることはありませんか。
腎臓の働きが低下した状態での日常生活の基本は、規則正しい生活を送ることです。
喫煙、過度な飲酒、睡眠不足、ストレス、不規則な生活は腎臓に大きな負担をかけている状態です。
健康的な生活を心がけ、十分な睡眠をとり、ストレスをためないようにしましょう。
疲れを感じたときは無理をせず、体を休めることが大切です。
また、体をしっかり休めることができないと、腎臓が疲れてしまいます。
就寝前の食事や、過度な水分摂取はせず、就寝時には腎臓も一緒に休めてあげましょう。
乱れた生活は、腎臓だけでなくその他の内臓、細胞にまでカラダ全体にかかる負担が大きく、腎臓以外の病気になるリスクも高くなります。
不健康な生活習慣によって糖尿病の発症リスクが2~3倍高まったことが研究結果からも明らかになっています。
長く健康的な生活を続けるためには自身の生活サイクルで見直せる部分は改善してみましょう。
まとめ

以上の「食事、運動、生活習慣」に関しては腎臓のみでなくカラダ全体を健康な状態に保つためにも大切なことですが、いざ仕事上や付き合い上で予定通りにいかないこともあるでしょう。
かといって諦めてしまったり、止めてしまってはせっかく今までに積み重ねてきた自身の体の良い循環を戻してしまうことになりかねません。
体の全ては口から入るもので出来上がっています。
例えば街の環境も同じように汚水が垂れ流れていた時代は、伝染病などが多く発生していましたが、時代の進歩と共に環境改善が整い衛生環境の整った街になる事で人が暮らしやすい環境へと変わりました。
体内でも同じく、自分の為に毎日休みなく働いてくれてる細胞がいます。
是非汚水の垂れ流れている環境では無く、整った街の中で働かせてあげてください。
スポンサーリンク